前回書き忘れておりましたが、何ヶ月後かに某日本の大手自動車メーカの知人から、モデルSが充電できないとの連絡を受け、Jumpstartの方法を説明したことがありました。やっぱり、そう簡単には判らない仕掛けで、裏メニューみたいなものです。
いよいよ車検準備スタートです。幸いにしてEVなので排ガス検査は必要ありません。日本のレギュレーションに合わせるため、色々な改造も行いましたが、今回は書類面での課題をまとめて見ます。整備会社から陸運局と交渉してもらいましたが、色々な質問攻めで前に進みません。
米国で安全基準をクリアしている車両は、基本的に日本の要求基準にも準拠していると見做されます。ところが、“Vehicle Certification”のラベルに問題発見。何と取説に記載されているラベル表記と実車のラベル表記が一致していなかったのです(写真参照)。FMVSSとは(米国)連邦自動車安全基準のことですが、実車のラベルにはVehicleの単語が抜けており、略すと”FMSS“となっています。明らかなミスですが、何でこんな間違いがあるの?原稿チェックしたの?受け入れ検査でも気づかず貼付作業者も何の疑問も持たず、出荷検査もパスしてしまったということなのでしょう。
これでは陸運局が受け付けてくれないので、またまたCTOにお願いして、レターを作成してもらい送ってもらいました。これで一件落着したと考えていましたが、再度日本の基準をクリアしているのかと言った質問があり、再びレターを出してもらいました。因みにVIN(製造番号)はドアを開けないと見ることができないこのラベルだけでなく、いつでも見られる様にウィンドシール下の内部にも表示されています。
2013年の年明けからTESLA JAPANにも品川ナンバーの付いた左ハンドル仕様の試乗車が登場していましたので、車検の通し方も問い合わせて見ましたが、全てUSAのスタッフが対応したので、何も判りませんとのことでした。そもそもエンジニアがおらず、営業スタッフしか居ませんでしたので仕方ないかなという感じでした。
次はモータの定格出力の提出を求められました。最大出力は判るが定格は不明。適当に計算して報告してもらいました。残念ながら数値は覚えていませんが、20~50kW程度の数値を割り出した様に思います。ICEでは出力ではなく排気量区分ですが、電気車両は排気量がないため、定格出力で区分されることを思い出しました。電動スクータの原チャリ相当やミニカー扱いの4輪の車両のモータ出力は600W未満です。小型自動車の定格出力基準は幾らか判りません(12kW未満?)が、いずれにしてもサイズ的に小型車枠には収まらないので、大勢に影響はありません。
今度は電池の平均電圧について問い合わせが来ました。何でそんなもの必要なの?という思いでしたが、またまた、レターの依頼をして提出してもらいました。因みに宛先や内容は当方から雛形を送付して、TESLAのフォーマットで作成してもらいました。
これでドキュメント面の対応はほぼ完了です。次はいよいよ車両の改造についてです。