さよならモデルS 第12回 ~充電Part 1~

 最近でこそ減少しましたが、当時はお会した人のほぼ全員から「1回の充電で何km走れるの?」、「何時間で充電できるの?」という質問を受けました。400㎞以上走行できるということには驚く人が多かった一方、充電時間に対しては失望気味の反応が多かった様に思います。

 現在でもEV所有者の多くは外で充電される様です。私はICE(内燃機関)カーからEVに乗り換える際に、一種のパラダイムシフトが必要ではないかと思います。

 充電ステーションが少ないとか充電に時間が掛かるとかいう話が多く聞かれますが、これはある意味に於いては疑い様のない事実です。

 ガソリンや軽油はGSに行かないと補充できません。家庭や一般の会社、ショッピングセンターや宿泊施設では補充できないのです。したがって、できるだけ短時間で補填する必要があります。一方で電気はあらゆるところまで配電されており、コンセントから電気を、決められた範囲内ではありますが自由に取り出すことができます。

 ICEカーを利用する人の多くは、燃料の残量があるレベルまで減少するとGSへ行って満タンにするという習慣になっています。中には燃費重視のため、満タンにしないという方もいらっしゃいます。ただし、50㎞走ったからガソリンを補充しておこうという方はほとんどいらっしゃらないと思います。この習慣のままでEVを利用しようとすると不便さを感じるのは間違いないと思います。

 一方、電気がどこにでもあるということは、充電するために充電スポットに出掛けたり待ったりして時間を消費する必要は必ずしもないということで、車を利用していない時に継ぎ足し充電するという考え方にシフトするとむしろロスがなく、いつでも満充電という状況が作れる可能性があります。当然、遠出の際や次の外出のために急いで充電が必要となることもあります。こんな時も休憩時や宿泊時を利用できれば、時間のロスは減らせます。急速充電しながら本を読んだりゲームをしたり、上手に時間を使っている方も見受けられます。自宅や会社に充電器または屋外コンセント(願わくば200V)があれば、普段使いは大きな問題はありません。駐車時に充電するという習慣に慣れると逆に充電ためにどこかに行くという手間が省かれて結構楽です。

 さて、話はモデルSに戻ります。TESLAでは自宅等に設置できるウォールチャージャーなるものもオプションとして提供されておりますが、US仕様のものを入手しても仕方がなかったので、私はモバイルコネクターとJ1772(普通充電器)の変換アダプターを入手しました。コンセントアダプターは日本にない形状も含めてゲットしました。初期型で40A対応モデルでした。日本仕様のモバイルコネクターはGen2で100V(12A)と200V(6A)対応の様です。細かな仕組みは判らないのですが、装着するコンセントアダプターの種類により、自動的に電流が制御される仕組みになっている様です。40Aが出力可能なのはNEMA14-50という形状のもので、USAのオートキャンプ場等で使われている仕様で日本にはありません。Amazon USAで探し出し、またまたLAの友人に無理を言って購入して送ってもらいました。

 会社の200Vラインに60Aのブレーカを経由してこのコンセントを設置しました。これらの準備は車検取得と並行して実施していましたので、車検取得時には既に稼働状態でした。8kWで充電できれば、85kWhの電池を空の状態からでも10時間余りで満充電にできます。一晩あれば十分です。会社でも通常勤務であれば8~10時間駐車するのでこの間に復活できます。100Vの場合だと70時間掛かることになり、ほぼ3日を要することになるので、これでは継ぎ足しでもちょっと力不足なのかもしれません。普通充電器(J1772)であれば丸1日あればほぼ満充電となるので、日々の継ぎ足しとしては充分使えそうです。単相200Vは一般家庭にも配電されているので、EVコンセントを設置する場合は、極力200V仕様にしてください。アースはしっかりと取ってください。一応電気工事士の資格は有しております(念のため)。

 長くなってきたので、今回はここまでとして続きは次回にします。

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