電池ということばは、電気を意味する「電」と水が貯まる「池」で構成されている。電気を貯めておくものと解釈することができます。太陽電池や燃料電池は誰かが電池と命名した訳でありますが、本来の意味からすると少し異なります。池は一般的には小さいものを指しますので、昨今開発されている大容量電池は「電湖」と呼ぶべきかもしれません。

 余談はさておき、化学電池には乾電池の様に一回使い切るとゴミ化する一次電池と、充電することで繰り返し使用でき、最近では充電池とも呼ばれる二次電池に分類されます。

 先に登場した平井先生は現パナソニックで一次電池である乾電池の開発をされたわけですが、三洋電機は「カドニカ」と命名したニッケルカドミウム電池という二次電池で電池業界に進出しました。パナソニック内での電池の歴史は古く、昭和初期から生産されてきました。

 戦後、財閥解体の対象となったことで、松下を去り三洋電機を創業することになる井植歳男氏に対して、松下幸之助氏が「電池だけはやるな」と言ったそうで、三洋電機は長年乾電池には手を出しませんでした。二次電池は乾電池でないという無理やりな理屈で、生まれ故郷の淡路島に電池工場を作ったと私は聞かされてきました。真偽の程は定かではありませんが、詳細はともかくとしても全くの嘘の話ではないようです。

 かくして一次電池の松下(二次電池もしっかりと生産していた)、二次電池の三洋という構図が出来上がったのではないかと思われます。以前、松下へ就職した大学の先輩も松下電池工業は「電池の総本山」、三洋は「電池のメッカ」とか訳の判らないことを言っておりました。

 本題に戻って、皆さんに比較的馴染みのある電池は以下の様に分類されます。

  • 一次電池
    • マンガン乾電池(アルカリ電池含) ・・・ 単3,単4,ボタン電池等
    • 酸化銀電池 ・・・ 主として腕時計に使用
    • リチウム電池 ・・・ 自動車のリモコンや煙感知器等の電源
    • 空気・亜鉛電池 ・・・ 主として補聴器の電源として使用
  • 二次電池
    • 鉛蓄電池 ・・・ 自動車始動用やバックアップ用途
    • ニカド電池 ・・・ 電動工具や非常照明,電車用蓄電用途等
    • ニッケル水素電池 ・・・ 充電池、電動工具、ハイブリッド車用電源等
    • リチウムイオン電池 ・・・ 大半のIT機器、EV等の車載電源、その他

 一次電池は電池と使用機器が1対1対応している訳でなく、ユーザ自身が交換をするので、規格化が進んでいます。メーカが違ってもほぼ互換性があります。厳密には同じではありませんので、合わないことも極稀にあります。因みに単3とかの呼称は日本特有のもので、今はJISもIECに準拠しているので、通称という扱いです。海外で”Size three”とか”Size Four”と言っても絶対に通じないと思います。単3のマンガン乾電池の国際規格は“R6”でアルカリ電池は“LR6”となります。紛らわしいのが単4で”R03”なので、海外で“Dry battery No. three”というともしかしたら単4が出てくるかも知れませんので、ご注意ください。

 二次電池にも規格はありますが、円筒形以外のサイズは規格があってないものだと考えていいでしょう。専用のモデルに専用の電池が採用されることが多く、新しいサイズを製造・販売することに対する規制は一切ありません。一次電池も同じですが、特定の機器用に特殊サイズの電池を設計するという事例はほとんどありません。多くの二次電池はパック化されて販売されているため、同じ様な仕様でも代替は困難です。充電器とのマッチングもありますので、一般の方は指定された電池を使用することを強くお勧め致します。

 また、乾電池が充電できるとか言った充電器も市販されていますが、安全面だけでなくコスト面でもお勧めできません。新しい乾電池を購入するか充電池に切り替える等で正しく使用してください。電池には電気エネルギーが貯められているということを再認識してください。乾電池でも毎年事故は発生しています。正しい電池を正しく使って、便利で楽しい生活を享受してください。